お疲れさまでした!
私は今放心状態です。実のところここ3日間緊張でまともに食事ができず、毎日続けている勉強もあんまりできなくて、この日を迎えるのがすごくすごく怖かったです。
羽生結弦選手
私はやはり平昌五輪から羽生くんのファンですから、それはもう緊張で何もできませんでした。ショートの何日も前からです。浅田真央ちゃんのバンクーバーの前の日も眠れなかったんです。あの時の感じに似ている。
私の悪い癖で、埼玉ワールドのときのように抜けちゃったらどうしよう、とか、2019年のGPFのショートや全日本のフリーのよくなかった時の演技だったらどうしよう、とか考えてしまいました。
そしてすぐに、「ダメダメ、信じなきゃ。ネガティブになってはいけない」と思い直し、ポジティブになったかと思えばネガティブになり、またその逆という感じで気持ちがアップダウンしていました。
予防線を張ったほうが結果が悪かった時にショックが少なくなるから、つい予防線を張ってしまう。でも羽生くんは一切予防線を張りません。だからこそこれまで戦ってこれたわけでモチベーションを保っていられた。本当にすごい人だと思います。
手に汗が出て止まらず、昼ご飯はほとんど食事ものどがとおらないなか迎えたショートは、まさかのサルコウ抜けでした。
ああ、もうこれで3連覇は難しくなった…。結果をついつい考えてしまいその後は集中して見られなくなりました。本当に私はメンタルが弱い。でもそれは、めったに起きない本当に運の悪いことだったと知り、どうしていつもいつも羽生くんに不運が襲ってしまうのだろうと落ち込みました。
でも考えてみれば、五輪の舞台に立てることだけで幸運なこと。残念ながら代表になれなかった選手や、けがやコロナで出られなくなった選手もいるわけで。そんな風に考えてしまう自分に反省しました。でも不運は悔しい。あの美しいショートプログラムを世界に完成したものを見てほしかった。
フリーは体の調子もよさそうだし大丈夫だろう、と思った矢先、中日の練習の4Aで転倒しけがをした様子で…。フリーを滑ることができるのだろうか、とすごく不安でした。
4Aは飛ばなくてもいい、と思いましたがこれがひょっとしたら現役最後の演技になるかもしれないし、悔いなくやってほしいと願いました。
4Aは転倒、サルコウも転倒。4Aの転倒の影響を受けたように見えました。やっぱり足が痛いんだな、この後の演技はできるのだろうか…。でもその後はほぼジャンプを降り、完ぺきに決めました。見たかった3A-3Lは3A-2Tになりましたが、ここまでやってくるなんて想像以上でした。点数はそこそこ取ったと思います。2回転倒しているからPCSが低かったけれど…。美しかった、心が震えました。4Aは回転不足でしたが、回転不足まで持ちこみました。ダウングレードだと3A扱いになってしまうけれど、ちゃんと4A扱い(回転不足)とのこと。認定というのはうれしい。
その後、将来羽生くんかだれかが成功するまでこの記録は消えない。素晴らしいことだと思います。
宇野昌磨選手
ポロポロとミスはあったけれど、なんとかまとめてきたな、という感じでした。通して上手くいったことがないと言っていたけれど、挑戦したプログラムでした。はじめのきれいな4ループに感動しました。平昌で最初に転倒した4ループ。しばらく挑戦してなかったけれど、きれいにまたものにしてきたな、と。
もしかして羽生くんの方が銅メダルになるのでは、と一瞬思ったりもしたけれど、ショートの差は大きかったです。銅メダルおめでとう。
鍵山優真選手
まさかこんなに脅威的な存在にうなぎ上りに成長するなんて…。でも勢いがあるってすごい。鍵山くんはジャンプの着氷と流れがきれい。4ループに果敢に挑戦してくるなんて本当にすごいです。羽生くんがはじめて認定した4ループを後輩二人が構成に入れてくるなんてムネアツです。立派な銀メダル。まだ18歳です、すごいです。
ネイサン選手
ショートの世界最高点を更新されたときには、羽生くんが死守していたものを更新されてしまった…と少し悔しかったですが、でも心からよかったね、と思いました。あの平昌ショートの悔しい経験が彼を強くした。平昌までは、ジャンプもあまりきれいじゃなくてアクセルもうまくできなかったけれど、その後は著しく上手になって、ほとんどミスもなく無敵になりました。本当に金メダルが心から目標だったのだと思います。だからこそ、上手くいって本当によかったな、と思いました。少しだけミスが出てたけれど、構成が高いのであまり影響がありませんでした。あそこまで構成が強いと本当になかなか負けることなどないのではないでしょうか。金メダルおめでとう。