このカテゴリ(お気に入りプログラム)では各選手の気に入ったプログラムの感想などを書く場にしようと思います。
しかし長年フィギュアスケートを見てきたファン…ではなく、ニワカの素人の感想であるため、「素人はこういう風に感じるんだ」という前提でお付き合いください。
(※厳密にいえば伊藤みどりさんから記憶にあるけど、ちゃんとじっくり見るようになったのが最近)
はじめに取り上げるのは、2018・2019シーズンの羽生結弦選手のOriginです!
元ネタはプルシェンコのニジンスキーに捧ぐ
伝説のバレエダンサー、ニジンスキーをモチーフにした作品。でも私はニジンスキーって何?という感じで正直よく分かっていない。
しかしこの伝説のオール芸術点6.0の演技には心が震えます!最近4回転とか見慣れすぎていたけど、今見返してみるとフィギュアスケートって決してジャンプだけの競技じゃない、まさに原点を思い出してくれる傑作だと思い直してくれます。憑依しているっていうんですかね…。プルシェンコがやっているのにプルシェンコ本人の先に世界観が見えてくるというか、見ているとこれがフィギュアスケートというスポーツを見ていることを忘れてしまいそうになります。最後のブオオオという風の音と高速スピンが合わさって最高潮に盛り上がって終わります。
羽生結弦選手のOrigin
プルシェンコさんに憧れた少年のころの原点を思い返して「Origin」を滑ることを決めた羽生くん。ニジンスキー成分はないようですが、プルシェンコ成分はあるようです。
私は、羽生くんの演技はどのプログラムも世界観を表現することに優れていると感じていて、本人の個性を残しつつ、役になりきるというか憑依する感覚を見せるのが上手いと思っています。どのプログラムも羽生くんの個性がしっかりあってなおどれも違って見えるし、何よりインパクトがあります。
今回のプログラムのOriginは、ニジンスキー成分は無視して、何ならプルシェンコを見なくても、羽生くんの作る世界観があります。
私が感じる羽生くんのOriginは、妖しさ。ロールプレイングゲームのラスボスみたいな妖気を感じます。羽で纏った黒と金の衣装もそうですし、髪を上げている感じが、羽生くんのもつカリスマ性と合わさってますますそういうキャラクターに見えてきます。演技前後ではそういう感じは消し去っていて、演技中だけ乗り移ってる感じがします。
最後怒涛のコンビネーション3連発!リカバリーできないハイリスク構成。4T-3Aという難易度の高い羽生くんだけのコンビネーション、3F-3T(近年で見かけなかったコンビネーション!)、3A-Euー3Sの高難度で締めくくります。終盤の終盤だからこそ、音楽の盛り上がりとともに演技も盛り上がります。よくよく考えてみたら凄い…。
怪我明けの執念の世界選手権銀メダル。ぎりぎりのところを気合と気持ちで乗り切った渾身のフリー。
シーズンベストの206点を得ることが出来たものの、見れば見るほど羽生くんはやはりギリギリだったのだ、と分かる演技でもあり、そこが感動でもあり切なくもなります。
足に来ているな、と思うところ箇所がところどころ見受けられ、ジャンプの着地はいつもはもっときれいにできます。おそらくそれでジャンプのGOEがいつもより少なかった…。
怪我をする前のヘルシンキ杯のフリー。ループと4Tで回転不足が出るものの、宇野くんが四大陸選手権で世界最高得点を更新するまでトップの点数でした。サルコウがとてもきれい。この時はサルコウがよくて、世界選手権ではループと4Tがよくて…。そろえるって難しい。この時の方が動きにキレを感じますが、気合は世界選手権の方ですね。
当日の公式練習で怪我をして出場したフリー。ジャンプ構成の順番を当日に変更して3ループしかオリジナルと合ってない!冒頭のサルコウ、トゥループはとても美しい。最後の方で崩れてしまいますが、鬼気迫るステップ、集中力は見事としか言いようがありません。
どの演技もいい部分、良くなかった部分があって、最初のループと4T+3Aは世界選手権、サルコウとトゥループはロステレ、みたいにいいところどりしたいくらい。
何となく、Origin持ち越しするかな?という気がしてます。でも最新作も見たい!