ライト層だったころ 伊藤みどり

もう一人の鳥肌の選手「伊藤みどり」

投稿日:2018年8月25日 更新日:

フィギュアスケートファンになるまでその7(完)

平昌で羽生くんのショートを見たときに鳥肌が立つほど衝撃を受けたことがきっかけで、ズルズルとフィギュアスケートに興味を持つようになりました。

そして、私がずっと見逃していた、鳥肌が立つ選手がまたいたことに気が付いたのです。それが、伊藤みどりさん。

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ええ、アルベールビル五輪、当時見てたよ!伊藤みどりさん、日本で知らない人いないくらいかなりフィーバーだったじゃん、その当時もよく覚えているし、今さら?みたいな。

でもそうなんです。アルベールビルの演技のイメージしか知らないでいたから、今までその魅力に気づいてなかったんです。

しかも、みどりさんがフィギュアスケートを知るきっかけだったから、比べる人がいなくてみどりさんのすごさはその時はちゃんと分かってなかった…。トリプルアクセルだって、伊藤みどりの時代からこれまで、数える選手しか決めたことがないジャンプだって、今になってすごいんだと分かる。

色んな選手を見て回って、関連動画として出てくる伊藤みどりさんの演技。アルベールビルオリンピックのは見たし、それ以降もよくテレビで取り上げられているからまあ覚えてる。けれど、カルガリー89年世界選手権、と見て、「なんか、ジャンプ高くない?」と今さら気づく。そして、中でも鳥肌が立った演技というのは、90年世界選手権のフリーの「シェヘラザード」。

シェヘラザード(90年世界選手権)

まず、冒頭のルッツ!これに私は固まります。

ここのところずっと色んな選手の動画を見まくっていたから、もうこのころになるとジャンプの種類も分かるようになってきて。「女子のルッツ」の典型というか固定概念が私の中ででき始めていたんです。

でも、30年近く昔なのに、みどりさんのルッツを見て、私の中の「女子のルッツ」の常識が大幅に覆りました。

高いとか大きいなんてもんじゃない。でかい。男子でもいない。むしろ、男子の4回転ジャンプ並にインパクトが大きすぎる。

この時に見た映像がちょうど横から高さと幅を分かりやすく捕らえたのがまた良かったのだと思います。

続けて飛んだトリプルアクセル。完璧。徐々に高まる音楽にワクワク感が増し、チャーンっていう音にはまったトリプルアクセルが気持ちいい。

壁ギリギリのトリプルフリップに入るまでのスケーティングがやたらと速い。サルコウはダブルになったけれど、イーグルからのトリプルループ、とくにまたすごいのが後半の3T-3T

これまた速い。速すぎる。1回目は幅を飛び、2回目は高さで飛ぶジャンプ。目の前のおじさんがリアルに倒れる。

大きく「6」のボードをもつ外国人ファン。圧倒的な演技に湧くスタンディングオベーション。

スゴイ、スゴイ、スゴイ。唖然とするというかこれまでにみた数々の動画をさらに上回るインパクトが、こんな昔の映像で見つけることができるなんて。

しかも、ずっと前から知っているはずの伊藤みどりさん。

ちなみにショートの演技もキレキレの神演技で大きなルッツと2Tのコンボを飛んでいます。

なんで、これが銀メダルなのさ。え、コンパルソリーの規定のせい…。ショートもフリーも1位なのに??そうか、その時代だったのか~。これまで見てきた女子選手の動画の中で、これを上回るインパクトの演技はありませんでした。海外の解説が言った「unbeatable(無敵だ)」の言葉が印象的です。

とにかくこの映像を見てからというもの、伊藤みどりさんに夢中になり、動画サイトにあげられている演技はほとんど見つくしました。そしてほぼ毎日といっていいほど、しつこくこのシェヘラザードを見ています。

色々な動画を見たうえでのアルベールビル五輪はさらに感慨深いものがありました。感じるものが変わってしまい、後半のトリプルアクセルは毎回泣きそうになります。

そんなこんなで、すっかり羽生結弦くんだけではなく伊藤みどりさんのファンにもなり、ジャンプの種類だけではなくルールも調べてみたり、どっぷりフィギュアスケートファンになったのでした。

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